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以下は、バストリオの映画『生きている』『信じたり、祈ったり』にかんするコメントです。 コメントにしては少し長いですが。チラシなどに使われるとのことです。 『絶対わからない』公演とは別に、6月に上映会が予定されてるとのことです。 * バストリオの映画を観に行ったのは、ちょっとした思いつきのようなものだった。 思いつきとはいっても、電車を乗り継いで行ったこじんまりとしたスペースで、数時間のあいだスクリーンに対峙したのだから、やはりなんらか期待はしていたのだと思う。 今野さんの名前は前から知っていたし、ちょうど観たばかりだったお芝居に橋本さんが出ていて、それで興味を惹かれたのだ。 しかしその期待と興味はもちろん、微温的なものだったと思う。 けれども、三本の映画を観終わった時には、来てよかったと思った。満足していた。 帰りがけに、挨拶してくれた今野さんに「よかったです」とか一言二言、述べたのじゃないかと思う(初対面だったのだが)。 そんなこんなで、いまこの文章を書いている。 『生きている』と『信じたり、祈ったり』は、同じ町が舞台になっていて、同じ人達が登場する。 たぶんこの続きもあるだろうし、その前もあったのだろうと思う(存在しているかはともかく)。 皆が何かを探している。見つからない何かを、ではなくて、ちゃんといつかは見つけるつもりで、心の底から見つけたいと願って、探している。 探しものには、持っていたのになくしてしまったもの、まだ見たことさえないもの、あるのかどうかさえわからないもの、など色々とある。 だが、探すことだけに必死になっているわけにはいかない。毎日の生活があり、すこしずつ形を変えながら続く日常がある。 それに、自分ではない誰かの探しものを手伝う、という仕事だって、ある。 互いが互いの探しものを手伝いあっている内に、時間が過ぎていく。 時にはそこに、思いがけない事件、みたいなものが生まれることもある。 ささやかな奇跡、いや、奇跡未満のささやかな出来事が、泡のように幾つか浮かんでくることだってある。 そうして皆が、信じたり、祈ったりしながら、生きている。 ここにあるのは、そんな映画たちだ。 僕はバストリオの映画の、なんというか、殊更に何かを物語ろうとはしていない感じ、決着をつけようとはけっしてしない感じ、柔らかく開いたままの窓のような感じに、穏やかな驚きと仄かな共感を感じている。 ここにあるのは、映画や演劇といった枠組みとは又少し違った意味での、人生の断片たちだ。 その人生は虚構のものではあるが、しかしほんとうのことでもある。 佐々木敦
by ex-po
| 2011-05-17 12:11
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